【オリジナルレポ】韓国3人組バンド「Glu」初来日公演「Glu Tokyo Live 2022」エモーショナルな音楽でファンを魅了

2022年7月8日より新宿・SHOWBOXにて、Glu（グルー）初来日公演「Glu Tokyo Live 2022」を開催中。7月10日の公演を取材させて頂いた。Gluは14人組ボーイズグループ元メンバーのウンジェを筆頭に、ギターのクァンウ、ドラムのヒョチャンの3人で構成されたバンドで2022年5月から活動をスタートさせたばかりの新人バンド。ライブでは切ないバラードから明るいポップなナンバーまで多彩な楽曲を披露しファンを魅了した。

静寂に包まれた会場に穏やかなピアノの音色が流れると、1曲目にCar, the gardenの「명동콜링（明洞コーリング）」を披露。情感たっぷりの歌声にファンはじっくりと聴き入っていた。その雰囲気を保ったまま、バンドサウンドにアレンジしたBTSの「Spring Day」を繊細かつエモーショナルに歌い上げた。

Gluとして活動を始めたばかりともあり、カバー曲中心のセットリストではあったが、バンドバージョンにアレンジされていたため、オリジナル曲とはまた違った魅力が感じられ、聴くものを惹きつけて離さない。

韓国でリリースするアルバムを準備しているという彼らは、今回のライブに収録予定のオリジナル曲を2曲準備してきてくれた。オリジナル曲1曲目は、クァンウの高校時代の別れの実体験が元になった「돌간（戻れたら）」。この曲を作曲したクァンウは「別れたので今では会えない仲になってしまったのですが、あの時告白せずに友達のままでいたらどれだけ良かったのか…という思いが込められている」と話し、クァンウと一緒に作詞したウンジェは「『あの日に戻れたら』という歌詞があるので、その歌詞が聞こえたらクァンウが辛い思いをしたんだなと思いながら聞いてください（笑）」とクァンウをいじりながら曲紹介をし、会場を笑わせた。そして叙情的かつ力強いサウンドに乗せて、「あの日に戻れたなら…」と切ない歌声を響かせた。

ムードは一変して、ウンジェが作曲した「데이트(デート)」では明るく温かみのあるサウンドが会場を包み込む。「コーヒーを飲みに行こうか　映画を見に行こうか　それとも手を繋いで歩こうか」と恋人とのデートを楽しむ様子を表現したウンジェの甘い歌声に、ファンは手拍子を送リながら聴き惚れていた。

楽曲ごとに異なる声色や表情を見せていたウンジェ。ジャスティン・ビーバーの「Off My Face」では透明感のある甘い声で、中島美嘉の「桜色舞うころ」では繊細な歌声をファルセットで歌い、14U時代もよく歌っていたというスキマスイッチの「奏」ではビブラートを利かせた美声を響かせ、米津玄師の「Lemon」での少しざらついた独特な声も魅力的だった。

歌声に浸っているうちに、あっという間に残り2曲。ヒョチャンは「皆さんが楽しんでいる姿を見ていたら僕も一緒に楽しくなって、とても大きな力をもらえました。ありがとうございます」と笑顔を見せ、「楽しく遊びましょう！」とテンションを上げてBTSの「Dynamite」を披露。ファンも総立ちでノリノリで盛り上がっていた。そして、この日のラストナンバーは、ウンジェがリスペクトしているというONE OK ROCKの「Wherever you are」。ダイナミックなサウンドに乗せて、力強く伸びやかに歌い上げ、この日のステージの幕を閉じた。

Gluは7月18日までライブを開催中。Gluが作り出すエモーショナルなライブを味わってみたい方は、ぜひ新大久保SHOWBOXに足を運んで欲しい。