台湾映画『台北アフタースクール』が、2024年7月26日(金) よりシネマート新宿他にて公開されるが、今回、監督のラン・ジェンロンと主演ジャン・フ ァイユンのインタビュー、楽曲「モニカ」が使用されたエンディング映像、追加スチールが解禁となった。
【イントロダクション】
あなたもきっと、大人になって忘れていた、大切な“何か”を思い出す—— 監督は、台湾ドラマ「アウトサイダー〜闘魚〜」で大ブレイクした人気俳 優ラン・ジェンロン。亡き恩師ミッキー・チェン監督との実話をもとに、 懐かしい青春の日々を描いたヒューマンドラマが誕生した。「僕らのメヌ エット」など数々の映画やドラマへの出演で注目を浴びてきたラン監督 が、世界の批評家から高い評価を得た初監督作『ぼくの人魚姫』に続き、 メガホンを取る。主演を務めるのは、台北映画祭の期待の新星を選ぶ「非 常新人(SUPERNOVA)」プロジェクトに選ばれた、ジャン・ファイユ ン、チウ・イータイ、そして映画『ひとつの太陽』で金馬奨の主演男優賞 にノミネートされたウー・ジエンハー。ほかシャーリーズ・ラムやホウ・ イェンシーなど、新進気鋭の俳優から実力派俳優まで多彩な俳優陣が集結 した。本作は第 36 回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門に選出さ れ、第 25 回台北映画祭クロージング作品として上映された。
【ストーリー】
1994 年、台北の予備校「成功補習班」に通った 3 人組、チャン・ジェンハン、チェン・シャン、ワン・シャンハー。イタズラ好きな彼らは、予備校で“成功三剣士”と呼ばれた問題児。
卒業後それぞれの人生を送っていた3人は、入院中の恩師、シャオジー先生のお見舞いを機に久しぶりの再会を果たす。先生の言葉をきっかけにかつての予備校へ足を踏み入れると、そこに残された青春に触れ、懐かしい日々が次々と蘇ってくるのだった——。 高校3年、大学入試まで残り約1か月。成功補習班に新たな代理講師が着任してくる。——それが彼らの人生 を大きく変えることになる、シャオジー先生との出会いだった。枠にとらわれない授業で、生徒たちに寄り添 い、心を掴むシャオジー先生。自分らしく生きる先生と過ごすうちに、3人それぞれが自分自身と向き合い、 本当の自分を見つめ直していく。
【ラン・ジェンロン監督 インタビュー】
Q1.本作は、ラン・ジェンロン監督の恩師であるミッキー・ チェン監督をモデルに描かれたとお伺いしました。製作ま での経緯や、ミッキー・チェン監督との実際の思い出を描 いたシーンがあれば教えて下さい。
A1.実際にジュンジー先生(ミッキー・チェン監督)の家や 塾にも行ったことがあり、ジュンジー先生との思い出を基 に、シャオジー先生の家や塾を描いているので、かなり実 際の思い出に近しいものになっています。
Q2.これまで主に俳優をメインにご活躍されていたかと思いますが、本作は俳優のみならず、監督、脚本そして プロデューサーに挑戦された理由をお聞かせ下さい。
A2.俳優のみならず、監督、脚本家、プロデューサーとして裏方の様々な仕事を経験することで、映画の完成に 必要な一通りの流れを理解することができると思ったためです。実際に経験してみて、一つの映画が完成する までには、多くの人々の協力が必要であることを知り、本当に感謝しています。
Q3.作中には、日本とのつながりが感じられるものがいくつか登場しますが、監督ご自身、日本にまつわる思い 出などあればお聞かせ下さい。
A3.90 年代に初めて日本に行きましたが、その時の印象は清潔で整然としているということでした。また、当 時の台湾では日本のドラマや映画が盛んに観られており、それらは私たちを成長させてくれた存在でした。そ の時代、ストリートも日本文化の影響を強く受けていたので、映画には当時の日本のストリート要素が多く含 まれています。
Q4.劇中、エンドロールで使用されていたレスリー・チャンの「Monica」の選曲理由をお聞かせ頂けますでし ょうか?
A4.「Monica」という曲を選んだ理由は、レスリー・チャンがジュンジー先生にとってアイドル的存在であった ためです。この曲を選んだのはジュンジー先生の青春に敬意を表す意味があります。「Monica」が日本で人気の 曲であることは後に分かりました。
エンディングに流れるのは日本でヒットした「モニカ」
【主演ジャン・ファイユン インタビュー】
Q1. 本作のオファーが来た時のお気持ち、またオファーを受けた理由をお聞かせ下さい。
A1.企画書を見て、映画の一部が同性愛者についてのものであ ることを知ったとき、最初は正直、出演することに少し抵抗が ありました。なぜなら、キャラクターを上手く演じられないの ではないかと心配だったのです。しかし、完成した台本を受け 取った時、マネージャーは私に、台本を読んでから話し合うよ う求めました。そう言われて読んでいくうちに、自然と物語に引き込まれていき、台本を読み終えると、心が 温かくなり、昔のことを思い出しました。そして、チャン・ジェンハンとチェン・シャンがお互いに抱いている愛も、私自身にも、このようなとても親しい友人がいるた め、とても心に響きました。愛にはいろいろな種類があります が、愛とは、実際、非常にシンプルなものなのだと感じまし た。
Q2. 台湾の映画公式 SNS でメイキングやオフショットなどを 拝見して、楽しそうな現場の様子が印象的でした!撮影期間中 の思い出や”青春”を感じられる印象的なエピソードがあれば教 えて下さい。
A2.撮影過程全てが、私にとって忘れられない思い出になりま した。チャン・ジェンハンの父親が、チャン・ジェンハンとチ ェン・シャンを警察署から連れ出すシーンがあります。実際、 その場面は重いはずなのですが、監督が付け加えたセリフと演 技がとても面白かったので、イータイと私は笑いをこらえるこ とができませんでした。必死でこらえようとしましたが、こら えきれなかったので、あの短いシーンを何度も撮ることになっ たのです。自分の若いころの思い出がたくさん蘇ります。世代 は違っても、若いころはみんな同じようなことをやっていたん だな。とても興味深いし、笑えるなと思いました。
Q3. 本作の監督であり、ご自身の大人になった役を演じられた ラン・ジェンロンさんとの印象的なエピソードがあれば教えてください。
A3. 初めて監督にお会いしたときは、ラン・ジェンロンさんということでかなり緊張しました!監督はクール でちょっと近寄りがたい…という印象があったのですが、話してみると、実はとても面白い人だということに 気づき、撮影中に打ち解けることができました。実は、私は自分にあまり自信がない人間なので、監督から 「カット!」と叫ばれると、緊張して、うまくできたか心配で、黙って監督の顔を見てしまうことが多いので す。監督はそれに気づいてくれたのか、私が監督を見ていることに気づくと、肯定の表情を浮かべて褒めてく れたので、安心して続けることができました。私が緊張しているのを監督が気づいてくれて、すれ違いざまに 背中をポンと叩いて励ましてくれることもありました。最初は、監督は近寄りがたい人だと思っていたのです が、後になって、実はとても面白くて温かい人だと気づきました。
Q4.日本の観客の皆さんにメッセージをお願い致します。
A4.愛には様々な形があります。必ずしも一つだけとは限りません。皆さんと一緒に映画の中で、純粋で若々し い勇気を取り戻せることを願っています。
第 36 回東京国際映画祭、台北映画祭 2023 上映作品
『台北アフタースクール』 (原題:成功補習班)
【CAST・STAFF】
監督:ラン・ジェンロン
出演:ジャン・ファイユン チウ・イータイ ウー・ジエンハー シャーリーズ・ラム ホウ・イェンシー 2023 年/台湾/シネスコ/5.1ch/118 分/中国語/原題:成功補習班/日本語字幕:小木曽三希子/字幕協 力: 東京国際映画祭/配給:ライツキューブ
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