
ことしで7回目を迎える「ながおか 米百俵フェス ~花火と食と音楽と~」。開催時期は秋から初夏へと変更。会場は、越後長岡百景のひとつに選ばれている「国営越後丘陵公園」内が新しい聖地だ。美しいバラが咲き誇る「香りのばらまつり」会場を抜け、ステージが組み上げられたフェスの会場に入ると、鮮やかな新緑の間からさえずる小鳥たちの声が聞こえてきた。厚い雲に覆われた2日目。フェスのタイトルにもなっている〝米百俵〟を収穫するために雨は欠かせない。田んぼを潤す恵みの雨の中で2日目の音楽の祭典が幕を開けた。
<輝叶>
アーティスト登場時に流れるのは、長岡出身の「Creepy Nuts」のDJ松永が提供した和テイストのジングル。10時半にジングルが流れると、ハーフの歌姫・輝叶がダンサー2人を従えてステージの中央に姿を見せた。セクシーなダンスと歌でわかせた「Bon Voyage」では、ツインテールを揺らしながら、パフォーマンス。MCでは「初めまして。今日のながおか米フェス。オープニングアクトを務めさせていただく輝叶と申します」とあいさつ。雨が強くなった空を見つめると「めっちゃ雨降ってる。体調崩さないように」と観客を心配していた。「昨年デビューして1年ぐらいなんですけど、めっちゃあがり症なんです」と抱えている緊張が伝わるようにつっかえながら話すと「みんなで世界をあったかくして、そしたら太陽出てくれるかな…そういうテンションでやっていきたいです」と思いを伝えると、大きな拍手が送られていた。「ちょっとチルっぽい感じで聴いてください」と伝えた2曲目は、ドラマ「フォレスト」のオープニング曲に起用されたバラード「For Love」。「口カラッカラ」と明かしたたどたどしいMCから一変。愛しい思いを、堂々と歌い上げた。再びダンサーを招き入れた最後は、「デビュー曲を歌いたいと思います。聴いてください」と「ICY」を熱唱。オープニングアクトの大役を見事に務め上げた。
この日のMCは昨日と同じ安東弘樹と、NST新潟総合テレビの高濱優生乃アナウンサーが初登場。安東は「今日はお足元が悪い中というレベルでない中、お越しいただきありがとうございます。くれぐれも体調に気をつけながら楽しんでください」、高濱アナは「美味しいご飯も楽しんで」とPRしていた。

<IS:SUE>
MCの安東弘樹、NST新潟総合テレビの高濱優生乃アナウンサーからトップバッターが「IS:SUE」であることを告げられると、待ち切れないREBORN(ファンネーム)たちが、3人の名前をコール。力強いメッセージソング「CONNECT」でスタートすると、REBORNは跳ね上がって喜びを表現していた。様子を目にした新潟県出身のNANOはうれしそうに「新潟県の皆さん初めまして。そしてただいま!」と手を振り、笑顔を見せた。2曲目の「Breaking Thru the Line」を歌う前には、3人で「米が好き!」とコール&レスポンス。エネルギーに満ちた歌声と、YUUKIが初めて作詞を手がけたラップで鼓膜を刺激。「Tiny Step」の締めくくりには3人が舞台の真ん中に集まり、顔の横でおにぎりの三角形を作り「おにぎり!」とキュートなポーズを決めて見せた。自己紹介を兼ねたMCではNANOが「新潟県出身の釼持菜乃です。新潟に帰って来られてうれしい。1つだけ言いたいことがある。みんなただいま!」と両手を広げると、ファンから「おかえり!!!」と声が。様子を見ていたRINOが「坂口梨乃です。神奈川県出身です。ただいまーーー!!」と声を上げると、会場は「おかえり!!」と受け入れていた。満足そうに頷いたRINOは「メンバーの地元は私の地元と言うことで、言わせていただきました」と笑っていた。
RINOが「そろっと(新潟の方言で『そろそろ』の意味)行きましょう」と始めた「Love MySelf」。Sugar Soul feat. Kenjiが1999年に発表した名曲「Garden」のカバーでは、歌とダンスに合わせて合唱するオーディエンスに向け「みんなが声を聴かせてくれて最高です!」と感謝していた。「刺激を受ければ受けるほど、輝きを増す私たちのいまを表現している」と説明した新曲「SHINING」では、ピンク色のポンポンを手にした上越高校ダンス部の女子生徒10名と共演。13人でそろいのダンスを見せ会場を盛り上げた。ロックアレンジされた「THE FLASH GIRL」では、歌唱後にインストゥルメンタルでソロと、グループダンスを組み合わせたアグレッシブなダンスで圧倒。かっこいい、可愛いを兼ね揃えた〝最強グループ〟を体現していた。


<MA55IVE THE RAMPAGE>
THE RAMPAGEのパフォーマーによるヒップホップユニット「MA55IVE THE RAMPAGE」は、全員がマイクを握る5人組。冒頭の「Who I Am」では、上手から水色のニット帽にサングラスをかけたLIKIYAが現れソロで歌唱。神谷健太、山本彰吾らへマイクリレーをつなげ、それぞれが持つ世界観をしっかりと印象づけた。LIKIYAが「皆さん楽しんでいきましょう!」と滑り出した「No.1」では会場全員とハンズアップで一体に。雨を吹き飛ばすような力強いパフォーマンスで圧倒した。神谷健太は「皆さんと1つになっていきたいと思います。フェス楽しもうぜ!クラップ!」と5人で両手を叩いて、会場を誘うと心地良い「Be Your Man」を投下。メロディアスな歌声とラップ、一糸乱れぬ圧巻のパフォーマンスで、MA55IVEの世界観に引き込んでいた。雨が落ち着いてきた会場には、THE RAMPAGEのフラッグを揺らす人、ハートの型をしたボードに「けんた」と記した推し活グッズを頭上に掲げる人の姿もあった。雨雲が消えた空を見上げた5人は「雨止んだ!ウソでしょう」とビックリ。山本彰吾は「長岡の皆さんの笑顔を一生忘れない」と優しい言葉で包み込んでいた。10月にも単独ライブで新潟に来ることを報告。5人は「THE RAMPAGEでも来る」「新潟めっちゃくるね」と会話を続けると「コシヒカリ爆食い」、「地酒チャンス!」と声を弾ませていた。終盤には歌手のCrystal Kayとコラボレーションした「REEEMINDER! feat. Crystal Kay」を横一列に並んで熱唱。愛しい相手を思う切なさを情熱的に歌い上げた。最後の「Planetarium」ではLIKIYAが「また新潟に必ず帰ってくるから。MA55IVE覚えて帰ってください」と呼びかけ。曲中に「ジャンプするよ」と誘い、声援を送るファンと一緒に空へと飛び上がった。「長岡の皆さん、もっと楽しんでいけますか!!」とあおると「♪長岡輪になって」と歌詞の一部を変えて歌唱。呼びかけに、小さい子供や、カップル。家族連れも一緒になってジャンプをして応えていた。5人は「この後も楽しんでください」「大好きだよ」「長岡最高!!!」と両手を振り、盛り上がった会場に感謝していた。

<wacci>
ジングルに合わせて登場したwacciは、ボーカル・ギターの橋口洋平が、中央にスタンバイすると「wacciです。新曲をやります」と第一声。ドキドキと高鳴る鼓動のようなドラムが印象的な「少年」で幕が開けた。和やかな空気に包まれた中、マーチングドラムと鍵盤の優しい音で始まった代表曲「恋だろ」では、聴き手がそれぞれの恋愛経験を重ねるように口ずさみながら、橋口の温かい歌声に合わせて体を揺らしていた。アウトロでは会場から「素晴らしい!」と声も飛んでいた。高揚感に包まれたオーディエンスに向け「来てくれた皆さん、楽しんでいますか。雨降ってなくないですか? 降ってないね。みんなの日頃の行いです。ありがとう」と笑顔で始まったMCでは「さっき女の子達に『キャー』って言われて、人生で浴びたことがないような『キャー』で、米フェスに何度か出演させていただいてきたから、知っていただける方が増えたのかなって幸せな思いでいたら、後ろにMA55IVE THE RAMPAGEさんがいて僕じゃなかったっていう。恥ずかしい思いをしました」と苦笑い。メンバーから「キャーって言ってあげてください」とフォローされると、「そうじゃなくて、めちゃくちゃかっこよかったから、だからバトンをつないでいきたいっていう」と「たくさんの出会いをつなげてくれた曲」とこちらも多くの支持を集める「別の人の彼女になったよ」を演奏。忘れることが出来ない恋人への思いが、長岡の空に広がっていった。
最後のMCでは「米フェスは毎年楽しみにしているフェスで、今回から会場も時期も変わって。過ごしやすい環境で皆さんと1つになれるのは、音楽をやっていて、ミュージシャンをやっていてうれしいこと」と目を細めた。全6曲を披露したライブの最後は、「どんな自分もしっかりと抱きしめられるようにと思って作った曲」とドラマ「放課後カルテ」の主題歌「どんな小さな」を熱唱。懸命に生きる人の背中を見守るような応援歌に、会場はじっと耳を傾けて共感していた。

<JUNNA>
アジアでも活躍する女性シンガー、JUNNAのライブには、キュレーターの島田昌典がキーボードの奏者としてハウスバンドの演奏を支えた。幕開けの「我は小説よりも奇なり」ではイントロで「皆さん1曲目から一緒にジャンプして行きましょう!」と声を掛け、会場を引っ張っていった。「情熱モラトリアム」では「米フェス、一緒にクラップしていきましょう」と頭上で手拍子をしながら盛り上げた。
最初のMCでは「米フェスありがとうございます。今日は皆さんに音楽を届けに来たので、とにかく皆さん1人1人に届けていきたいと思います!」と熱い思いを吐露。アップテンポな「世界を蹴飛ばせ!」では上手ステージで、左の脚を高く蹴り上げるアクションも見せ、視線を釘付けにしていた。空をつんざく激しいギターで展開した「FREEDOM~Never End~」では、お立ち台に登って、右手の拳を振り上げながら何度も「FREEDOM!!!」と連呼。照明で真っ赤に染まった舞台で、全身で思いを伝え聴衆を燃え上がらせた。
2度目のMCでは「米フェスは、わたしは4回目ぐらいの出演なんですけど、本当にたくさんのご縁をいただいて感謝しています。またいつかどこかで皆さんとあえたら本当にうれしいなと思います。きょうはちょっと曇っているんですが、セットリストを考えたときは、きょうが晴れたら良いなと思って考えたので、『晴れろ!』と思って歌います」と最後の曲として「Believe In Myself」をセレクト。冒頭は演奏なしで、自分自身を信じて進むことの大切さをパワフルな歌声で表現した。約30分で7曲を歌ったJUNNNAは、額に噴き出した汗をぬぐうと、充実した表情を見せていた。

<SHISHAMO>
ベースの松岡彩、ボーカル・ギターの宮崎朝子が、順番に中央のお立ち台に乗って両手を振りあいさつ。宮崎が「米フェス!初めまして、SHISHAMOと申します。きょうは最後までよろしくお願いします」とあいさつし、「君と夏フェス」で会場を揺さぶっていく。2曲目の「君の目も鼻も口も顎も眉も寝ても覚めても超素敵!!!」の冒頭は、右手で鍵盤を奏でながら歌い、鍵盤の後はギターも奏でる〝三刀流〟の活躍でピュアな恋心を愛らしい歌声で届けた宮崎。「米フェス!」とガッツポーズを見せたMCでは「米!」「こ!」と不思議な呼びかけを繰り広げたが、どんな声にも応える姿に「すごい。初めてでもやってくれるんだね」とうれしそうに笑っていた。
宮崎は「米フェス初出演です。ありがとうございます。何か良いですね。お山的な感じで」と芝生の先に広がった丘の斜面に座って手を振るファミリーらを見つめ「体育座りをしていて、こっち側(ステージ前に集まったファン)と温度感が違って面白い」と幅広い層に支持される米フェスならではの景色を楽しんでいた。MCで宮崎は「新潟は1年ぶり。初の米フェスで新潟に来られてうれしいです。しかもきょう、花火が上がりますよね。見たことなくて、初めて。せっかくだから長岡花火を見て帰ろうと思っています」と笑顔を見せていた。
「こんな寒いと思っていなくて、夏の曲を持って来ちゃって」と奏でたのは「夏の恋人」。切ないバラードで会場をしんみりとさせていた。多才ぶりを見せたステージは後半戦に突入。宮崎が「もっともっと元気に行けますか。米フェス!!! 前の立ってる人。後ろの人!!!女!男!!全員!!!」とあおると、元気いっぱいに「狙うは君のど真ん中」を歌い、カッティングギターが耳に残る「最高速度」へと展開。初の米フェスは、多くの支持を集める「明日も」で締めくくり、パワーに満ちあふれたステージを後にした。

<Da-iCE>
リハーサルからファンが集まっていたのは、5人組ダンス&ボーカルグループ「Da-iCE」。確認を終えるとボーカルの花村想太は観ていた観客に「すぐまた出てくるんで。でも初めて見たみたいな感じでお願いします」と語りかけ笑いを誘っていた。
手を振りながら登場した花村想太が上手に立つと「CITRUS」の冒頭をアカペラで歌唱。ざわめく会場に向けて、大野雄大が同じくアカペラでステージの下手から歌を届けた。花村が「米フェス、最後までよろしくお願いします」と声を上げると、イントロで歓声が上がったヒット曲「I wonder」の世界へ。美しいファルセットで酔わせた花村が「歌ってみましょうか」と呼びかけると。大野の「♪Sha-la-la-la-la~~」の声に合わせて、小さな男の子も左右に手を振りながら「♪シャララ」と声を出していた。
「Clap and Clap」では曲の最後に花村が「雄大くんが今日ならではのことをやってくれるらしいです。何やってくれるんでしょう」と水を向けると、一歩前に出た大野は「コールアンドレスポンスです」とファンに向かって「イェー!」とマイクを向けた。慌てて「それはどこでもできる」と花村が静止。「あと、顔全然見えへんサングラスあかん」と〝注意〟すると大野はサングラスを外して変顔をしてみせた。花村に「そういうの求めてへんから」と突っ込まれると、大野はステージの裏に消え、日本酒の空ビンを片手に「こめこめこめこめ!!」と再登場。続けて「まいまいまいまい。あいまいみーまい!!」と全力でシャウトすると、花村は「めっちゃおもろい」と崩れていた。
メンバーの工藤大輝が1月末に半月板手術を受け、回復状況に合わせてライブを展開している5人。工藤は「私、膝の不調がございまして。踊りが控えめなんです。でも5人で歌うレアケースを楽しんで」とツインボーカルではなく、5人で歌を届けていく。「Flight away」では、横一列に並んだ5人が、全員で声を揃えたほか、ソロで歌いつなぐシーンもあった。最後はフィナーレとして準備されている「長岡花火」を前に、花村が「俺たちがでっかい花火を打ち上げようぜ。ここにいる全員がでっかい花火になって、打ち上がろうぜ!!」と勇ましく鼓舞すると、5人でハイジャンプ。奏でられた「スターマイン」では、「♪鍵屋 玉屋」の歌に合わせ、花村が「男性の声ももっと聴きたいぞ!」とお願いし、マイクを向けると「♪一発じゃ足りないのかい」と男性ファンが合唱。会場全員でDa-iCEの世界を作り上げていた。曲の最後は大野がMCでふざけていた「アイマイミーマイン」と「こめこめこめこめ!!」でボケながら締めくくり、大きな笑いの花火を打ち上げていた。気をよくした大野が「アイマイミーマインでした」と告げ、去ろうとすると、花村が「違う、違う。『スターマイン』」と突っ込み。再び会場に爆笑が起こっていた。

<マルシィ>
ジングルの後、幻想的なSEに合わせステージが青く染められた。浮遊感のある舞台に登場したのは、ボーカル・ギターの吉田右京、ベースのフジイタクミ、ギターのshuji。3人はドラムの前に集まると、ドラムのカウントに音に合わせて前方に飛び出していった。透明感あふれる吉田のギターにわいた「プラネタリウム」では、その熱をさらに向上させるように吉田の伸びやかな声が、観客を遠く宇宙へと誘っていく。終盤「いける?」と笑いかけた吉田に呼応する観客。「もっともっと盛り上がっていけますか」とあおった2曲目の「ミックス」では、「今日の米フェス楽しみにしていたっていう人?」とコミュニケーションを取りながら進行。笑顔の輪が広がっていった。
shujiのギターソロでボルテージが全開になった「牙」。短いSEに続けて、代表曲「ラブソング」が届けられた。目を閉じてスタンドマイクを両手で包み込んだ吉田は、心変わりを心配する恋人に向け「♪未来を君となら間違えないから」と永遠の愛を誓う。この世で1番大切な人へ。真っ直ぐな思い、真摯な演奏に多くの人が心を打たれていた。
小さく「ありがとう」と伝えて小休止。水分補給をして始めたMCでは、「次、新曲やっても良いですか」と、バンド演奏にホーンの音が華やかさを添えた「君中心に揺れる世界は」を披露。サビでは観客がそれぞれ手にしていた各アーティストの名前が入ったタオルを振り回して、マルシィの風を巻き起こしていていた。「次の曲、もし知っていたら一緒に歌っていただけますか」とお願いした「未来図」では、ハンドマイクの吉田が「聴かせて!!」とマイクを会場に向け、ファンの声が響いていた。同曲の終盤に吉田が「♪今日も君が好き」とあふれる思いを告げると、会場から「♪何年先も君が好き!!」という声が届けられ、相思相愛の思いを確かめ合っていた。
「米フェス、ラスト1曲出来ますか。最後はジャンプしたい」と話すと、かがむように呼びかけ。「僕の合図でジャンプしてください」と告げ、自らもかがむと、「行くよ。ジャンプ!!!」と会場と一緒に高く飛び跳ねた。サビ前には再び「行くよ。ジャンプ!! 飛べーーー!!!!」と声を掛けると老若男女が曇天に向かって飛び上がる姿を目にして満足そうな笑顔を見せていた。何度も思いを交換し合った会場。吉田は「米フェス、本当にどうもありがとうございました。新潟。また会えるように頑張っていくんで。また会いましょう。ありがとうございました!」と飛躍を誓うと、中央で3人で頭を下げ米フェス初出演を締めくくっていた。

<imase>
2025年の米フェス大トリを務めたのは、シンガー・ソングライターのimase。ことし最後のジングルが止むとノリノリの生演奏に合わせて「米フェスよろしくお願いします!!」とimaseが軽やかに登場した。歌い出しのファルセットが心地良い「Nagisa」では、序盤に「飛び跳ねろ!ジャンプ!ジャンプ!!」とあおっていく。美しい旋律に合わせ揺れる会場。盛り上がる会場に目をやったimaseは「まだまだ行けますよね!」とさらに高揚させていた。五線譜の中を泳ぎ回るような軽やかな歌声を届けた「ユートピア」では、その歌声で周囲を輝かせていく。多幸感に包まれた会場に向け「まだまだ行けるよな!もっと声を聴かせてくれよ。今日は一緒に最高のステージを作りましょう!!」とあおると、激しいロックナンバー「LIT」をドロップ。ステージが真っ赤な照明で彩られた。大歓声に迎えられたMCでは「最高です!」と笑顔。「僕自身、新潟に来るのが初めてで、初めての米フェスになります。寒い中最後まで残ってくださって、新潟あたたかいですね。最高の場所だなって思います!」と目を細めると、喜びの歓声と拍手が起こっていた。
舞台のど真ん中でステップを踏みながら「♪愛がなくっちゃダメなのさ」と歌った「惑星ロマンス」。「たまには、一息ついて」とやさしく伝えた「でもね、たまには」では、「みんなの声も聴かせて」とクラップでリズムを取る会場と、シンガロングで共に過ごす時間を分かち合っていた。続くMCでは「この後は長岡花火さんということで、僕はトリ前でさっき話したら、緊張して縮こまっていました」と花火と〝対話〟したことを明かし、その様子についてレポートする場面もあった。
1人1人の目を見ようとするかのように上手、下手へと移動しながら曲を届けた「メトロシティ」。「踊ろうぜ」と誘った「NIGHT DANCER」では雲の合間から輝く星が覗いていた。「米フェス、ラスト行くぞ!!!」と選んだのは、「Happy Order?」。七色の光が輝く中、陽のオーラが広がっていく。観客は手にしたスマートフォンのライトを光らせて、imaseの初めての新潟でのライブの成功を祝福していた。最後は「今日は本当にありがとう。米フェス楽しかった。最高の思い出になりました。最後はみんなで一緒に飛びましょう」と語り、「1,2,3,4、5!」と5回ジャンプ。「ありがとう!!」と何度も感謝し「次は長岡花火さんです!!」と花火にバトンを渡していた。

MCの安東は「imaseさんが見事に締めくくってくれました。しびれたーーー」としみじみしていた。フィナーレとして打ち上げられた長岡花火は「日本三大花火」のひとつ。安東は、1945年8月1日に、B29による爆撃で長岡の8割が焼け野原になり、1488人もの尊い命が失われたことなどを説明。1946年に「長岡復興祭り」が開催され、翌年にいまの「長岡花火大会」に繋がる原型を再生させたことなどが明かされた。長岡花火は「慰霊と平和への祈り」の意味を込め、冒頭は3発の白い花火が打ち上げられることなど、その背景をしってほしいと呼びかけていた。
先人達への感謝を込めた白い花火の後は、山下穂尊が作詞・作曲をし、フェスのキュレーターの本間昭光と島田昌典が編曲を手がけたフェスのテーマソング「輝き」に合わせたミュージックスターマインが次々と打ち上がった。美しい花火と共に、子供たちの合唱がこだましていた。
続くプログラムは長岡花火の代名詞「フェニックス」が含まれたもの。2004年に発生した新潟中越地震の被災者のために、全国から寄せられた支援に感謝を込め上げられる花火で、中でも夜空を青く染める「ブルーフェニックス」は見どころのひとつ。こちらもミュージックスターマインで、楽曲は2023年に新・米フェステーマソング「HOPE TO THE FUTURE ~未来へ~」として書き下ろされたもの。JUNNA、松下洸平、琴音、橋口洋平が歌唱、wacciが演奏したオリジナル曲で、「米百俵の精神を受け継ぎ、長岡の明るい未来、希望が叶うように」という願いが込められている。
見事な花火に会場のあちこちから感嘆の声が。安東が「ここまで素晴らしい花火を打ち上げてくれた花火師さんたちに、スマートフォンのライトを点灯して『ありがとう』のライトウェーブを送ってください」と声を掛けると、白い光が星のように輝き始めた。様子を見ていた花火師からは「ありがとう!」の花火が上がるサプライズ。安東は「花火で対話できましたね」と笑顔を見せていた。

取材・文/翡翠
撮影/田中聖太郎写真事務所
花火撮影/井上スタジオ
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2025/05/31 21:23 配信
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